はじめに
JSPS日本-スイス若手研究者交流事業(特別研究員)/Fellowship under the “Young science and technology programme between Japan and Switzerland 2014″に関してこれまで個人的にお問合せを頂くことが多かったので,下記にまとめます。本事業だけでなく,スイスに留学する方へのTipsになれば幸いです。
なお,ここで紹介する情報は私がETH/SED (Swiss Seismological Service)に滞在した2015.1月-6月時点での情報になります。本ページで紹介する情報に基づいて被ったいかなる被害についても、 一切責任を負いかねます。くれぐれも参考程度にして頂き,滞在先・留学先の研究期間・大学にお問合せ下さい。
Entry permit
スイスはシェンゲン協定加盟国なので入国時にVISAはいりません。しかし,滞在は90日に限定されます。それ以上の滞在には滞在許可を滞在先のカントン(州)へ申請する必要があります。詳しくはスイス大使館のサイトを参照ください。 実際に行った手続きとしては滞在先の研究期間から申請書が送られてきてそれに記入して送り返します。滞在先の研究期間が代理申請を行ってくれるようで,最終的に滞在許可証のコピーが,私の場合だと2週間後に送られてきました。入国時にはこのコピーを見せれば90日以上の滞在と言っても問題ありません。滞在許可証には滞在時の身分(academic guest)や滞在研究期間,滞在期間が書いてありました。
健康保険
スイスは日本の様な国民皆保制度で,保険に入っていることが求められます(実際に事業を担っているのは民間です)。しかし,我々のような短期滞在者は,同等の保険に入っていることで,その皆保加入義務を免除されるようです。僕の場合は,ETHから多くの短期滞在者は,旅行保険等で代替するという話を聞いたので,AIUの滞在保険を購入しました。入国時に保険に関して何か証明を求められるということはありませんでした。
ETHの指示のもとに,住民登録後,住民登録を行なった街で皆保の免除申請を行いました。AIUの代理店に英語での内容証明や,申請書へのサインをもらい,それらの書類を提出しました。しかし,その街からこの免除申請はちょっと分からないとか言われて,街の上のカントンの保険管理している部門とやりとりすることになりました。ETHの指示のもとに免除申請を行なったから問題ないはずだ,と主張したのですが,結果的に僕の免除申請は認められませんでした。免除申請が認められなかったのが帰国二週間前で,一応律儀に民間の保険会社に連絡して,遡って6ヶ月分払うと申し出たのですが,返事がなく,うやむやのまま帰国となりました。。
私の場合は結果的に,長期滞在保険でカバーすることになりましたが,滞在される機関の指示に従うのが最もよいかと思います。責任の所在を明らかにするという点でもです。ちなみに医療機関にお世話になることはありませんでした。
住民登録・滞在登録
住民登録は,自分の住んでいる家がある街で住民登録を行います。市庁舎に赴き,書類を記入し手数料を支払うと手続きは完了です。市庁舎のスタッフは英語が堪能なので,特に問題はないかと思います。
街への住民登録以外に,滞在登録(外国人登録?)も必要になってきます。これは,カントンの庁舎に行きそこで手続きを行う必要があります。街での住民登録をした時に予約をその場で受け付けてくれます。庁舎では写真を撮って,登録料を払うと数日後に登録カードが送られてきて,そのカードがスイスでの公式のIDとなります。
銀行
研究者交流事業での助成金はETH(所属研究機関)を通してスイスの銀行に振り込まれることになりますが,ここで困るのが銀行口座です。
スイスでは大変有名なcredi swissとかSBMCとかあります。せっかくスイスに行くのだしこのような有名銀行で口座を作ろうと思っていましたが,これら有名銀行では滞在登録が済むまで口座を開設できませんでした。唯一パスポートや住民登録のコピー程度で開設できたのが地方銀行です。僕の場合はZuricher Cantonal Bankで口座を開設しました。Zuricherの部分がカントンに相当し,どこのカントンでも同様な銀行があると思います。銀行自体のシステムは非常に発達していて,オンラインバンキングも非常に使いやすかったです。また,ヨーロッパではデビットカードを使うことが当たり前で,街での買い物では現金を持ち歩く必要は感じませんでした。(むしろETHの一部のメンザでは現金が必要でした)